
福岡県・太宰府で、が足を運んだのは、賑わう参道を抜けたその先にひっそりと佇む場所。まずは参道の楽しさから。
西鉄太宰府駅を降りるとすぐに天満宮へ向かう参道があります。参道では手に様々な食べ物を持つ人たちが行き交い、どこのお店も大人気。梅の印が表面に入ったお餅の中には餡子が入っています。その昔、左遷されて太宰府に送られてきてお腹ぺこぺこの道真に老婆がお餅をあげた。そのお餅を好物とした道真を祀って、お餅に梅の枝をさして送ったことが由来らしい。決して梅が入っているのでもなければ、酸っぱい味がするものでもない。
そんな中で私は、少し脇にある老舗の喫茶店、 小山田茶店 でひと息つきました。焼きたての 梅ヶ枝餅 は皮が少しパリッとして香ばしい。コーヒーと一緒にゆっくり味わえて、人通りの少ない裏手の静けさもまた心地よく。
※小山田茶店:福岡県太宰府市宰府4-8

お店の方に、この先にパワースポットがあるから是非!と教えていただき、少し足を伸ばして天開稲荷社へ。赤い鳥居が連なり、どこまで続くんだろう…というドキドキと共に登っていくと、やがて人のざわめきが消えて、空気がひんやりと、静かに変わりました。鳥居が連なる写真で有名な京都の伏見稲荷の分霊だそうです。「こんなところに!」という驚きが一番大きい、まさに「裏山を登る」ような感覚。

その先にあるのは洞窟のような石室の奥の院。岩に囲まれた洞窟のような神秘的な空間で、少し体をかがめて入ると、背筋がピンと伸びるような気分。静けさの中で心の動きが、ふっと内側へと向かいます。確かに「パワースポット」と言われるのがよくわかる静け、そしてここまで来たという達成感。

参道での賑わいや梅ヶ枝餅ももちろん楽しいけど、登ってたどり着く静かな場所だからこそ味わえる時間があります。人混みを抜けて、石室まで。静けさの中でパワーを受け取る。そんな旅の瞬間をぜひ。
そして、今、太宰府は本殿の改修期間となっており、2027年春頃まで本殿工事が完了するまで仮殿が設置されています。この仮殿、2025年の大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーを務めた注目の建築家、藤本壮介が手がけた3年限定のもの。「生きている屋根」と表現されてるのが一目でわかる感動的なものです。

そして、この仮殿が役目を終えたあと、屋根の植栽は境内に移植されて、またつぎの1000年へと生き続ける。また見に行きたいと思わせる太宰府天満宮でした。